地域冷暖房とは
一定地域内の建物群に熱供給設備(地域冷暖房プラント)から、冷水・温水・蒸気などの熱媒を地域導管を通して供給し、冷房・暖房・給湯などを行うシステムです。
地域冷暖房の導入により、省エネルギー性に加えて、環境保全や利便性、安全性の向上などさまざまなメリットが期待できます。
地域冷暖房導入のメリット
省エネルギー効果
未利用エネルギーの活用による省エネルギー効果
地域冷暖房は、個別建物では利用が難しい未利用エネルギーの活用が可能です。
代表的な未利用エネルギーとして以下のエネルギーがあります
- ゴミ焼却排熱、バイオマスエネルギー
- 河川水、海水、下水、地下水等の温度差エネルギー
- 工場排熱
- 変電所、地下鉄、送電線等の排熱
高効率システムの採用による省エネルギー効果
- 熱源機器の適正な台数分割による高効率運転が可能
- コージェネレーションシステムの排熱利用量の拡大効果
- 大規模蓄熱システムによる夜間電力の活用と高効率運転
- 大温度差供給システムによる熱搬送動力の削減
高度な運転技術による省エネルギーと安定供給の実現
- 負荷予測による最適起動・停止の実施
- 運転データによるエネルギー管理
- 予防保全、劣化診断技術による熱源機器の高効率運転維持
環境保全効果
省エネルギー効果による一次エネルギー削減と環境保全
- CO2排出量の削減による地球温暖化対策への貢献
クリーンエネルギーの使用、低NOxバーナーの採用等による環境保全
- NOx、SOxの削減による地域の大気汚染防止対策への貢献
ヒートアイランド対策への貢献
地域の都市生活環境の向上効果
都市景観の向上
- 冷却塔、煙突が不要又は集中設置が可能となり、都市景観の向上に寄与します
地域の防災性、安全性の向上
- 熱源の集中管理により安全性が向上します
- プラント内の蓄熱槽を消防用水に転用ができ、防災に寄与します
需要家建物の導入メリット
- 通年、24時間熱の利用が可能となり、利便性が向上します
- ボイラ等の熱源機器が不要となり、建物の安全性が向上します
- 熱源スペースの縮小により建物の有効率が向上します
- 冷却塔が不要となり、屋上利用、建築デザインの自由度が向上します
- 熱源機器設備が不要となり、付属する電気設備や引込み設備、換気設備等を含めてイニシャルコストが低減できます
建物の規模によっては特高受電設備の回避も可能となります