地域冷暖房Q&A

  • 地域冷暖房とは?

    地域冷暖房とは、一箇所又は数箇所の熱源システム(熱源プラント)で製造した冷水や温水、蒸気を地域配管を用いて供給区域内の複数のビルや住宅等に送り、冷房や暖房、給湯を行うシステムです。エネルギーの有効利用や快適な生活環境の提供等、多くのメリットを持つ新しい都市インフラとして、都市の再開発やニュータウン、リゾート開発等において導入が進んでいます。各建物にとっては,熱源設置スペースが不要になり,地下や屋上を有効に使える,熱源の運転管理員が不要になるなどのメリットがあります。地域冷暖房は、熱供給事業法により、電気・ガスに次ぐ第3の公益事業とされています。

  • 地域冷暖房は日本にはどのくらいありますか?

    地域冷暖房は、1970年に大阪の千里中央地区にわが国で初めて導入され、1975年にかけて全国的に展開実施されました。その後、1985年までは、低迷を続け、1980年代後半に入ると地域冷暖房の導入は首都圏を中心に再び活性化しました。2018年3月現在の熱供給事業法適用地区数は134地区となっています

  • どんな方法で冷房・暖房をするのですか?

    エネルギープラントに、大型で高効率の冷凍機やボイラーと冷却塔を設置し、お客さまの受け入れ施設へ作り出された冷水・温水・蒸気を送り、冷房・暖房を行います。各建物では,冷水から冷水へ,温水・蒸気から温水へ熱交換を行い,その冷水・温水を建物内に循環させて冷房・暖房を行います。

  • 冷水・温水・蒸気はどのように作るのですか?

    大型の冷凍機やボイラで作ります。冷凍機には、電気を用いるターボ冷凍機・ヒートポンプや,ガスを用いる吸収式冷温水機があります。最近では、排熱を利用する排熱吸収式冷凍機などがあります。また,安価な夜間電力を用いて蓄熱槽に氷・冷水・温水を溜め,昼間にポンプで冷水・温水を取り出す蓄熱方式もあります。ボイラには,温水ボイラ・蒸気ボイラ(炉筒煙管ボイラ・水管ボイラ・貫流ボイラ)があります。

  • 地域冷暖房の燃料は何ですか?

    ガス、電気、石油、石炭などを燃料とするほか、河川水・海水、下水処理水の熱、清掃工場の排熱、ビルの排熱、発電機の排熱等、さまざまな排熱エネルギーを利用する場合もあります。

  • 製造した冷水・温水・蒸気はどのようにして、使用者(お客様)に送るのですか?

    敷地や道路の下に埋設された配管(地域導管)を通して各建物(使用者)へ送ります。地域導管は直接土中に埋設するのではなく,メンテナンスを考慮して,電力・電話ケーブル,ガス配管,水道管などと一緒に共同溝として埋設する方法もあります。

  • 地域冷暖房を取りまく環境はどうなっていますか?

    地球温暖化問題・資源問題・ヒートアイランドなどの対策として、社会全体の総合エネルギー効率を高めることが求められております。地域冷暖房は、エネルギー、環境、アメニティ、セキュリティ等の都市機能を支えるシステムの核となり、新しい都市創造の推進役として、その発展が期待されています。また、地域冷暖房システムそのものについても、更なるシステム効率の向上が求められており、熱源機器の効率向上,ロスの削減等,様々な努力が継続して図られています。天然ガスコージェネレーション・風力発電・廃棄物発電・廃棄物熱利用等の新エネルギーを活用したシステムにおいては,国から補助金を受けることが出来ます。豊かな都市環境の創造とエネルギー、環境問題の解決のため、将来、地域冷暖房は、新たな技術開発を進めながら、さらに拡がって行くでしょう。

地域冷暖房とは

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